須磨発祥の琴、須磨琴と在原行平のお話

2022.08.26
daishimochi
こんにちは。歴史やお寺が大好きな「あずき」です。

みなさんは須磨が発祥のお琴があるのをご存知ですか?
「一絃琴」という素朴な音色のお琴で、「須磨琴」とも呼ばれています。

須磨琴は平安時代を起源とする絃楽器で、一度はたしなむ人が減ってしまいましたが「一絃須磨琴保存会」により須磨琴の魅力を伝える活動が行われ、今では須磨寺をはじめ、須磨琴クラブがある学校などで親しまれています。

須磨琴演奏(写真引用)
写真引用:一絃須磨琴保存会

今回は、須磨寺とゆかりの深い「須磨琴」と須磨琴を作ったといわれている在原行平のお話を「あずき」がご紹介します。

素朴な音色が須磨発祥の美しい須磨琴(一絃琴)

一絃琴は、一枚の板に一本の絃を張っただけの、極めて簡素な作りの琴で、音量は小さいながら、意外にも華やかな音色が魅力。

4本の脚がある台にのせ、象牙や角・牛骨などを使った蘆管(ろかん)という爪2本で絃を弾いて演奏します。

「須磨琴」の名前は商標登録されており、須磨寺(福祥寺)のみ使える名前なんだそう。

 

須磨に流された在原行平が作った須磨琴

「古今和歌集」によると、平安時代の歌人 在原行平は文徳天皇の何らかの怒りに触れてしまい、須磨で謹慎することになったそうです。

その際、須磨滞在中の寂しさを紛らわせるため、行平は浜に打ち上げられた木の板に1本の弦を張り、作ったのが一絃琴の「須磨琴」だといわれています。

在原行平
画像引用:在原行平 – Wikipedia

 

その後衰退してしまった一絃琴でしたが、江戸時代に覚峰律師が再興させ、幕末から明治時代には名人真鍋豊平により、多くの門人を輩出。

豊平は作詞作曲も手がけていて、須磨寺の境内には豊平の歌碑を見ることができます。

 

明治時代以降は西洋音楽に押され、昭和20年ごろにはまた演奏できる人がほとんどいない状態になってしまったそうですが、昭和40年、須磨寺の前菅長が須磨琴の伝統を蘇らせようと「一絃須磨琴保存会」を発足させました。

珍しい楽器の復活はメディアでも話題になり、多くの演奏依頼が寄せられたほか、上皇皇后両陛下の前でも披露されたそうです。

 

一絃須磨琴保存会は、昭和51年に兵庫県無形文化財の指定を受け、その後も兵庫県文化賞や神戸市文化賞、文化大臣賞などを受賞しています。

 

須磨琴の生みの親「在原行平」ってどんな人?

 

在原行平(ありわらのゆきひら)は、平安時代初期から前期にかけて活躍した歌人です。

平安時代を代表する歌人・在原業平の異母兄にあたります。

在原行平
画像引用:在原行平 – Wikipedia

小倉百人一首では第16番の歌を「中納言行平」の名で詠んでいます。

行平が都から遠く離れた因幡の地へ赴任する際に詠んだ送別の歌です。

立ち別れ いなばの山の みねにおふる まつとし聞かば 今帰り来む

(現代語訳)

私はあなたとお別れして、因幡の国へ行きます。しかし因幡の稲羽山の峰に生える松の木のように「ここでずっと待っています」とあなたから聞いたならば、すぐに帰ってきます。

 

この歌は現代では、いなくなった飼い猫の帰りを待つ「猫返しのおまじない」として知られているとか。

 

また、能楽作品である謡曲「松風」の中に、須磨に流された貴公子(行平)と海女の姉妹(松風、村雨)の恋の話が描かれています。

松風、村雨の地元の須磨では、彼女たちの伝承に基づく遺跡がいくつかあり、離宮の松並木の近くには、松風と村雨の住居の跡といわれる松風村雨堂があったり、松風町・村雨町・行平町などの町名があります。

 

 

多くの人に愛されている須磨琴

 

ここ数年は新型コロナウイルスの影響で中止となっていますが、例年4月に須磨寺近辺で開催される「須磨大茶会」の中でも演奏されていて、今年はその演奏会のみ行われたようです。

他にも、観光客向けのイベントや、出張演奏会などで、頻繁に演奏会が行われているほか、兵庫県各地や東京にもあるという須磨琴教室で、多くの方が演奏を楽しんでおられるとのことです。

須磨寺で行われた演奏会の様子は、須磨寺副住職の小池陽人さんのyoutubeチャンネルでも見ることができます。

素朴な楽器ですが、演奏会となると荘厳な演奏が素晴らしいんですよ。

 


参考:一絃須磨琴保存会|一絃琴 須磨琴

「須磨琴」「松風」にちなんだお菓子

 

須磨寺御用達の菓子店である当店には、須磨寺ゆかりの名前がついたお菓子がたくさんあります。

焼き菓子「須磨琴」は、須磨琴の一本の弦をモチーフにした、黄身あん仕立てのほっこりとした焼き菓子。

しっとりほろほろとした口触りが魅力で、須磨の銘菓として昔から愛されている人気商品の一つです。



 

また、同じく焼き菓子の「松風」は、風味豊かな抹茶あん。

焼き菓子「松風」

どちらもお持ち帰りのお土産にお喜びいただいているお菓子です。

須磨寺へお越しになられた際は、ぜひ須磨寺ゆかりの歴史にちなんだお菓子を楽しんでいただければ嬉しいです。

大師餅本舗は、山陽電車・須磨寺駅から歩いて3分、須磨寺の参道にある和菓子店です。

須磨寺参拝からのお帰り道の左側にあります。ぜひお立ち寄りくださいね。

大師餅本舗店舗外観

© Copyright 大師餅本舗|神戸須磨寺の和菓子店 All Rights Reserved. | 管理画面へ