この味を愛しすぎて老舗和菓子店の経営を受け継いだ元社会福祉士のお話。

2021.03.07
daishimochi
大本山須磨寺の参道にある「大師餅本舗」は、明治の昔より創業140年と伝わる老舗の和菓子店です。

大師餅本舗 店舗外観

屋号の「大師餅」は当時の須磨寺貫主より頂いたもので、「大本山須磨寺御用達」の札を受け継いでいるという伝統があります。

しかし、昭和の時代には繁盛を極めたものの、時代の流れによる和菓子離れや、参拝客の減少によって、しだいにお客様の数は減ってきました。

そんな状況に追い打ちをかけるように、阪神・淡路大震災によって店が全壊してしまいます。

のれんは職人が受け継いで何とか変わらぬ場所で伝統の和菓子をつくり続けて来ましたが、その後も変わらない和菓子離れや参拝客のさらなる高齢化、最寄りの須磨寺駅への電車の乗り入れ本数の減少によって、客足の衰えは進み続けるばかり。

そうするうち、店主自身も高齢となって、いよいよ店をたたもうかという話も出て来てしまいました。
しかし、地元に愛された優しい風味の和菓子を惜しむ声は予想されていたものよりも大きなものでした。

敦盛団子

 

何とかこの味を残せないものかと模索が続きました。
けれど、全盛期のような勢いを失ってしまった老舗店を引き継ぐという荷の重さに、後継者選びは難航しました。

 

そして2018年1月、幼い頃から親しんできた大師餅本舗の味を愛し、どうしても途絶えさせたくないと願った現店主である私が承継することとなったのです。

ただ、創業者の遠縁にあたる私ではありますが、前職は社会福祉士。

和菓子の世界のことなど何も知らないにも関わらず、「この味を将来にも残して行きたい!」との想いだけを胸に、飛び込んできた普通の主婦でした。

当然和菓子の世界は分からないことだらけ。右も左もわからない中で、とにかく必死で毎日をもがき続けました。

そんな中、職人さんから和菓子作りについての指導をみっちりと受けながらも、
2019年には老朽化した建物の一部改修工事を行うことで、厨房をより衛生的な環境に改善、
2020年からは道の駅(フルーツフラワーパーク大沢)に出展、

2021年にはホームページもリニューアルし、一部商品ではありますが、インターネットを通じた販売も始めるなど、新しいチャレンジを続けています。

 

店舗外観イメージ

 

140年物長い間愛されてきた和菓子の味を更に未来へつなげ、より多くの方に愛してもらいたい。
私にはその思いしかありません。

ぜひ一度、私が心から愛している当店の味をご賞味ください。

大師餅本舗 店主謹白



 
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